2006 Fiscal Year Annual Research Report
高速分光・測光観測による降着円盤の可視化、及び短時間変動現象の解明
Project/Area Number |
05J04264
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
石岡 涼子 国立天文台, 光赤外研究部, 特別研究員PD
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Keywords | 近接連星系 / 降着円盤 / 突発現象 |
Research Abstract |
1.マイクロクェーサーGRS1915+105の短時間変動 GRS1915+105は銀河系内のブラックホール連星で、相対論的ジェットを噴出していることが知られている。ジェットと降着円盤の状態変化の関係を調べ、ジェットの生成機構を解明するためには多波長同時観測がもっとも有効な手段である。GRS1915+105多波長同時観測に参加し、すばる望遠鏡による近赤外時間分解測光観測を行った。そのデータ解析の結果、近赤外のデータではX線でも見られる10分程度の周期変動に加えて、数秒のタイムスケールでも光度変化が見られることが明らかになった。また、近赤外での光度変化はX線とは逆相関であることから、降着円盤の物質が一気に落ち込んだときにその一部がジェットをして放出されるというシナリオがほぼ確かめられた。 2.食を示す激変星Z ChaとOY Carの降着円盤可視化 昨年度から行っている食のある短周期の激変Z ChaとOY Carの高速分光観測のデータ解析について以下の改良を行った。同時観測の高時間分解測光データがないため光度補正が十分に行えなかったという問題を解決するため、食の光度曲線はほぼ一定の形を示すことから過去の論文から高速測光観測のデータを取得して光度補正に用いて。降着円盤可視化の過程で、連続光成分だけでなく白色矮星の吸収線の影響も無視できないことが明らかになったため、モデルスペクトルを用いて白色矮星の成分を分離し、吸収線の影響を取り除いた。 3.惑星状星雲の中心天体 連星が激変星へと進化する途中では、惑星状星雲の段階を経ると考えられている。すばる望遠鏡を用いて中心天体が白色矮星を含む連星系であると考えられている惑星状星雲についての可視分光観測を行い、現在X線のデータとも併せて解析中である。
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Research Products
(5 results)