2009 Fiscal Year Annual Research Report
高速分光・測光観測による降着円盤の可視化、及び短時間変動現象の解明
Project/Area Number |
05J04264
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
石岡 涼子 National Astronomical Observatory of Japan, ハワイ観測所, 特別研究員PD
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Keywords | 近接連星系 / 降着円盤 / 突発現象 |
Research Abstract |
激変星の高速分光観測による降着円盤可視化、ブラックホール連星候補天体の時間分解高分散分光観測、時間分解測光観測のための小口径望遠鏡とCCDカメラを用いた観測システムの構築を行った。食のある短周期の激変星Z ChaとOY Carの高速分光観測データに対してドップラー・トモグラフィー法を行って得られた速度場における2次元輝度分布から、ホットスポット(伴星から流入するガスと降着円盤が衝突する計部分)の放射が非等方であることが強く示唆されている。ホットスポットと非ケプラー回転の効果を見積もるための降着円盤のモデル構築を行った。 本年度4月に可視光での増光が発見され、増光の光度曲線や直後の分光観測からブラックホール連星かもしれないと思われた天体(ASAS150946-2147.7)の可視高分散分光観測を、すばる望遠鏡を用いて行った。小口径望遠鏡による増光初期の分光ではA型星の伴星を持つブラックホール連星の可能性があったが、実際には伴星はF型星で、主星はかなり重い中性子星であると思われる。連星中のブラックホールと中性子星の質量ギャップに位置する可能性もあり、連星進化の上からも興味深い天体である。 ガンマ線バーストやX線新星、激変星の爆発活動など、予測困難で持続時間が数十秒から数日と極めて短い可視域での突発現象は、降着円盤の活動に起因するものや未知の新天体の活動であることも多く、即時観測によるデータ取得が重要である。増光時の明るさは小中口径望遠鏡でも高速測光観測が可能な場合も多い。日本やアメリカ大陸では突発現象の観測を目的とした小中口径望遠鏡が複数運用されているが、その間に位置するハワイにはそのような望遠鏡がなく観測の空白時間の原因となるため、30cm望遠鏡とCCDカメラによる観測システムを構築した。
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Research Products
(2 results)