2006 Fiscal Year Annual Research Report
トロイダルプラズマにおけるポロイダル構造と輸送の研究
Project/Area Number |
05J04275
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
糟谷 直宏 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 日本学術振興会特別研究員(PD)
|
Keywords | トロイダルプラズマ / ポロイダルショック / Hモード / 遷移 / 粒子ピンチ / ドリフト波乱流 / 帯状流 / ストリーマ |
Research Abstract |
本研究の目的はトロイダルプラズマの輸送過程で形成されるポロイダル構造を中心とする多次元構造がプラズマの閉じ込めに与える影響を明らかにすることである。Hモード輸送障壁中では、ポロイダル方向にショック状不均一構造が形成され、それにともない径方向の粒子束が生まれると考えられている。そこで電極バイアスHモードならびに自発遷移によるHモードについて電位、密度構造の解析を行い、二次元的に急峻な分布構造が形成されることを示した。さらに二次元構造に伴って生じる粒子束を輸送モデルに取り入れ、自己無撞着なモデルを構築した。そして二次元性がもたらすUH遷移における輸送係数の分岐と、密度分布の発展を統合して解くことにより、LIH遷移時の電場、密度の時間発展を求めた。二次元構造からもたらされる径方向粒子輸送がL/H移時の早い密度ペデスタル形成の要因となり得ることがわかった。また、乱流と構造形成の機構を解明することは輸送現象の定量的理解のために必要であるので、その素過程の研究として直線型装置におけるドリフト波乱流の解析を行った。簡約流体モデルを用いた円筒形プラズマ中での乱流解析コードNumerical Linear Device(NLD)を用いて、抵抗性ドリフト波不安定性の詳細な線形解析とともに、乱流の非線形飽和機構の解明を行なった。飽和をもたらす要素として準線形的な密度分布平坦化、非線形結合によつて形成される電位分布による安定化(帯状流の形成)、空間的な収束構造(ストリーマ構造)を伴う複数モード問のエネルギー交換があることがわかった。さらに不安定性の強さをパラメータとした帯状流構造とストリーマ構造の形成選択則を得た。改善閉じ込め研究をポロイダル構造も含む多次元的なものへと進展させ、トロイダルプラズマ遷移理論の定量的理解に寄与するという大目標に向け、成果は着実にあがっている。
|
Research Products
(2 results)