2005 Fiscal Year Annual Research Report
Atg2の脂肪滴への局在と初期オートファゴソーム形成の関係について
Project/Area Number |
05J04299
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
尾板 英子 基礎生物学研究所, 分子細胞生物学研究部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | タンパク質分解 / オートファジー / 動物細胞 |
Research Abstract |
オートファジーは細胞内の主要な分解系のひとつであり、オートファジー関連タンパク質(Atg)によって制御されている。酵母ではAtg2が初期オートファゴソーム形成に関与することが示唆されているが、その詳細な局在や機能に関してほとんど明らかになっていない。哺乳類にはAtg2ホモログが存在する為、本研究では、初期オートファゴソーム形成機構を解明する糸口としてAtg2に着目した。まず、動物細胞におけるAtg2の局在及び他のタンパク質との相互作用について解析を行った。 動物細胞では、本研究において、Atg2-1と新たにAtg2-2の2つのホモログが存在することが明らかとなった。まず、Atg2の局在を解析した結果、Atg2-1と同様Atg2-2も脂肪滴に局在することが示唆された。更に、脂肪滴への局在に必要な部位がそれぞれC末端側(Atg2-1;aa1759-1794、Atg2-2;aa1867-1977)に存在することを明らかにした。この部位は特に疎水性に富んだ部位ではないことから、Atg2が何らかのタンパク質を介して間接的に脂肪滴に局在する可能性が考えられる。 酵母ではAtg2がAtg18と結合することが報告されている。そこで、動物細胞においてAtg2とAtg18の相互作用を明らかにする為、免疫沈降法を用いてAtg18の哺乳類ホモログであるWIPI-1、WIPI-2、WIPI-3、WIPI-4とAtg2の結合を解析した。その結果、WIPI-4と結合することが明らかとなった。次にこれら4つのWIPIの局在を調べた結果、WIPI-2のみが脂肪滴に局在し、Atg2と結合するWIPI-4は脂肪滴への局在が観察されなかった。Atg2とWIPIsの結合及び局在に関しては更に解析を行っている最中である。 また、現在、動物細胞におけるAtg2とオートファゴソーム形成の関連についても、RNAiの手法を用いてAtg2をダブルノックダウンした細胞で解析を進めている。
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