2006 Fiscal Year Annual Research Report
Atg2の脂肪滴への局在と初期オートファゴソーム形成の関係について
Project/Area Number |
05J04299
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
尾板 英子 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | タンパク質分解 / オートファジー / 動物細胞 |
Research Abstract |
オートファジーは細胞内の主要な分解系のひとつであり、オートファジー関連タンパク質(Atg)によって制御されている。酵母ではAtg2が初期オートファゴソーム形成に関与することが示唆されているが、その詳細な局在や機能に関してほとんど明らかになっていない。哺乳類にはAtg2ホモログが存在する為、本研究では、初期オートファゴソーム形成機構を解明する糸口としてAtg2に着目した。まず、動物細胞におけるAtg2の局在及び他のタンパク質との相互作用について解析を行った。 動物細胞では、本研究において、Atg2-1とAtg2-2の2つのホモログが存在することが明らかとなった。まず、Atg2の局在を解析した結果、Atg2-1、Atg2-2共に脂肪滴に局在することが示唆された。 また、FLAGタグを用いたpull downアッセイにより、Atg2がAtg18と結合することが明らかとなっている。そこで、更に、免疫沈降法を用いてAtg18の哺乳類ホモログであるWIPI-1、WIPI-2、WIPI-3、WIPI-4とAtg2の結合を解析した。その結果、Atg2-1、Atg2-2共にWIPI-2及びWIPI-4と結合する事が明らかとなった。次にこれら4つのWIPIの局在を調べた結果、WIPI-2のみが脂肪滴に局在し、WIPI-4は脂肪滴への局在が観察されなかった。これらの結果から、Atg2とAtg18が脂肪滴に局在し、オートファゴソーム形成に関与している可能性と、脂肪滴に局在しないAtg2とAtg18が、脂肪滴以外の場所で機能している可能性が考えられる。 現在、動物細胞におけるAtg2とオートファゴソーム形成の関連性、また脂肪滴へのAtg2の局在がオートファゴソーム形成に必要であるのかについても解析を進めている。
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