2005 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーにおける脂質の役割とその動態の制御機構の解明
Project/Area Number |
05J04300
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
奥 公秀 基礎生物学研究所, 分子細胞生物学研究部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | オートファジー / ペルオキシソーム / ミトコンドリア |
Research Abstract |
オートファジーとは細胞内構成成分を液胞/リソソームへと輸送し分解する機構のことであり、真核生物に広く保存されて存在している。このオートファジー機構によって、真核生物の生命活動の要である細胞内小器官も特異的に分解されうることが知られている。本研究では、まずメタノール資化性酵母ピキアパストリスにおいて、細胞内小器官のひとつペルオキシソームを分解するためのオートファジー機構に、脂質フォスファチジルイノシトール4-モノリン酸が関与することを発見した。具体的には、この脂質の合成酵素であるPik1がペルオキソーム分解のためのオートファジー機構に必要であることをます証明した。またこの脂質の作用が、別のオートファジー関連タンパク質であるAtg26の分子内領域GRAMドメインと相互作用して、Atg26を新規膜合成の場へと導くことにあることも見出した。次に、出芽酵母を用いた研究も行った。グリセロールを唯一の炭素源として本酵母を培養した場合に、好気・嫌気条件にかかわらずオートファジー機構が働きうること、また、その際に働くオートファジーにはミトコンドリアを標的とするものがあることを見出した。ミトコンドリアを標的とするオートファジーには、高等動物・植物において細胞死や細胞老化を誘導する、あるいは逆に防止する働きがあることが類推されていることから、本研究の進展によりその基礎となる分子機構が解明できると期待される。
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Research Products
(1 results)