2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J04351
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
小林 正彦 独立行政法人森林総合研究所, 複合材料研究領域, 特別研究員(PD)
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Keywords | 液化木材 / オゾン処理 / エポキシ樹脂 / 熱硬化性樹脂接着剤 / パーティクルボード / ファイバーボード / ボード性能 |
Research Abstract |
昨年度の研究で、木材含有率が66%の多価アルコール系液化生成物と水溶性エポキシ化合物であるエチレングリコールジグリシジルエーテルをブレンドし、水に懸濁する事により、低粘度の木質ボード用接着剤を調製でき、これを用いる事でファイバーボードの製造が可能である事が明らかとなっている。そこで、本研究では、エレメントの形状の影響を検討するためにリングフレーカー、ハンマーミルを用いてそれぞれ調製した形状の異なる2種類のパーティクルを用い、木質ボードの製造に関し検討を行った。その結果、エレメントの形状に関わらず、パーティクルボードの製造が可能である事が明らかとなった。ボード性能を評価した結果、曲げ性能は市販のフェノール接着剤を用いた系と比較して劣っていたが、剥離強さは接着剤量を増量することにより、フェノール樹脂接着剤と同等の性能を示した。また、耐水性(厚さ膨張率)に関しては、接着剤添加量が同量であってもフェノール樹脂接着剤を用いた系と同等の性能を示した。以上の結果から、液化木材樹脂接着剤の架橋剤に水溶性エポキシ化合物を用いた場合には、フェノール樹脂接着剤と比べ特に曲げ性能が劣ることが明らかとなった。そこで、架橋剤のエポキシ化合物として油性のビスフェノールAのジグリシジルエーテルを用い、液化木材/エポキシ樹脂接着剤の調製を行った。更に、これを用いてファイバーボードを製造し、ボード性能を評価した。油性のエポキシ化合物を用いる事により、曲げ性能は向上し、市販のフェノール樹脂と同等の性能を示した。しかし、剥離強さにおいては性能の向上は認められず、水溶性エポキシ化合物を用いた系と同等であった。また、天然系接着剤の開発という観点から、架橋剤を添加せず液化木材を単独で接着剤として用いファイバーボードを製造した。液化木材を単独で過熱し硬化した樹脂はエポキシ化合物架橋剤を用いた場合に比べ、弾性率は高いが脆い硬化樹脂であるため、ボード用接着剤としての性能は期待できないと考えられた。しかし、製造したボードの物性は油性エポキシ化合物架橋剤を用いた系と比較すると低かったが、曲げ性能に関しては、水溶性エポキシ化合物架橋剤を用いた系以上の性能を示した。 これらの成果の一部をHolzforshungに投稿し、2006年8月8〜10日に秋田大学で開催された第56回日本木材学会大会にて報告を行った。
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Research Products
(2 results)