2007 Fiscal Year Annual Research Report
遍歴電子メタ磁性転移を利用した高性能磁気冷凍作業物質の開発に関する研究
Project/Area Number |
05J04553
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤枝 俊 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 遍歴電子メタ磁性 / 磁気熱量効果 / 磁気冷東 / キュリー温度 / スピン揺らぎ |
Research Abstract |
磁性体の磁気熱量効果を利用した磁気冷凍は、有害フロン系ガスを一切使用せず、従来の気体冷凍よりも高い冷凍効率を実現できるため省エネにも繋がる環境に優しい冷凍技術である。本研究では、遍歴電子メタ磁性転移により巨大磁気熱量効果を示すLa(Fe_xSi_<1-x>)_<13>を用いた高性能な磁気冷凍作業物質の開発を目的とする。 昨年度までの研究で、La_<1-z>Ce_z(Fe_xMn_ySi_<1-x-y>)_<13>は、組成制御によりメタ磁性特性を保持した状態で190K以下の任意の温度にキュリー温度を低下制御できるため、低温領域対応の磁気冷凍作業物質として有望であることが明らかとされている。本年度、La_<1-z>Ce_z(Fe_<0.860>Mn_<0.035>Si_<0.115>)_<13>の磁気熱量特性を詳細に調べた。その結果、本化合物の磁気熱量効果はz=0.2近傍で極大を示すことが明らかとなった。メタ磁性転移に伴う潜熱に起因したエントロピー変化と、メタ磁性転移磁場および磁化の変化の関係を詳細に調査して、磁気熱量効果の極大がスピン揺らぎの温度変化に起因していることを示した。 磁気冷凍機の冷凍能力の向上のために、作業物質の磁気熱量効果の向上が強く求められている。昨年度までの研究で、LaのCeやPr部分置換によりLa(Fe_xSi_<1-x>)_<13>の磁気熱量効果が向上することが明らかとされているが、本年度の研究でLaのNd部分置換でも磁気熱量効果が向上することを示した。
|
Research Products
(20 results)