2006 Fiscal Year Annual Research Report
微細Cu配線のナノレベル界面強度と界面物性に関する研究
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05J04554
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関口 貴子 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Cu配線 / 信頼性 / 密着強度 / ナノスクラッチ |
Research Abstract |
Cu配線における界面密着強度測定の経過報告は、試料を提供してくれた企業の機密事項に触れるため、差し控える。来年度末に報告する予定である。 ナノスクラッチ試験で密着強度を測定する際、剥離の臨界荷重は膜内の弾・塑性変形量に強く依存する。そこで、測定された剥離時の臨界荷重から界面での密着強度を導き出すため、三次元有限要素法による連続膜の応力解析を行った。その結果、界面に働くせん断応力が剥離の駆動力であることが明らかになった。しかし、膜の機械的性質は組織と密接な関係を持ち、更に組織は配線形状や製造プロセスに左右されることから、密着強度の定量評価には、Cu膜の変形挙動を如何に現実に忠実に再現できるかにかかっている。 そこで、配線形状や製造プロセスの異なる数種類のCu膜について、微細組織と機械的性質の関係を調べた。硬さと弾性定数はナノインデンテーションにより測定し、膜組織はSEM、EBSD、XRD、SIMSにより評価した。その結果、硬さと弾性定数は結晶粒径、配向、膜密度に依存する傾向が見られ、またこれらの組織因子は配線サイズと成膜後の熱処理温度に依存することが明らかになった。組織と配線形状、成膜条件の関係が示す傾向は、膜中の微量な不純物や界面状態にも左右されるため、単純化することは難しい。このため、現在はナノインデンテーションの結果に基づいた膜の変形挙動の再現を検討中である。 また次年度は、同様の方法で、配線内での応力解析も行う予定である。
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Research Products
(2 results)