2005 Fiscal Year Annual Research Report
分かりやすい空間ガイド情報の条件:言語情報と視空間情報の最適化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
05J04647
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本多 明生 東北大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 地理的空間情報処理 / 経路探索行動 / エラー・タイプ / ランドマーク / ルート型方略 / サーヴェイ型方略 / 聴覚ディスプレイ / 転移効果 / 音空間認知 |
Research Abstract |
(1)言語による地理的空間情報伝達と処理の研究 言語による地理的空間情報伝達に着目した研究を行った結果,(1)地理的空間情報記述の分かりやすさは、環境の特異的な特徴を記述する「弁別的な特徴」,"進む""曲がる"といった移動のステップを示す「移動の動詞」の記述が影響を及ぼしていること,(3)記途の分かりやすさが,空間的な地図への変換の容易さとは必ずしも関連しないこと,(4)地図に変換しにくい記述には目印などの「ランドマーク」や経路などの「パスウェイ」が多く記述される情報量過多の傾向が示されること,(5)進行方向決定地点では記述が若干冗長になるとしても自己身体準拠枠の記述を省略しないことが空間の多義的解釈抑制に重要であることが明らかにされた.研究成果は学術誌に投稿中である. (2)地理的空間情報処理と経路探索エラー・タイプの研究 Questionnaire on Spatial Representationsを日本語に翻訳し、経路探索エラーとの比較検討を行った.その結果,(1)我が国の成人においては,イタリアの成人とは異なり,男性では空間全体を把握するためにユークリッド情報を手がかりとする「サーヴェイ型方略」を用いる傾向があり,女性ではランドマーク情報を手がかりとする「ランドマーク/ルート型方略」を用いる傾向があること,(2)ランドマーク/ルート型方略は,「ルート情報の検知処理エラー」および「不正確なルート距離予測エラー」に影響を及ぼしており,サーヴェイ型方略は「意思決定エラー」と「ルート情報の検知処理エラー」に影響を及ぼしていることが明らかにされた. (3)3次元聴覚ディスプレイ技術を用いた音空間認知実験 東北大学電気通信研究所と共同研究を行い、3次元聴覚ディスプレイ技術を応用した聴覚ゲーム練習による音空間認知の転移効果についての実験を行い,現在研究結果を投稿中である.
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Research Products
(3 results)