2005 Fiscal Year Annual Research Report
多相系岩石の粒成長と流体分布:焼結実験による岩石物性の研究
Project/Area Number |
05J04675
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大内 智博 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | かんらん石 / 単斜輝石 / 流体 / 粒成長 / 水 / 微細組織 |
Research Abstract |
本年度では東北大学理学研究科のピストンシリンダー型高温高圧発生装置を用い,かんらん石-単斜輝石系における流体の分布の変化に関する実験的研究を行った.粒成長が進行するとともに,鉱物粒界上に分布する流体の分布が変化することを明らかにした.この成果は国際誌に受理・出版された. さらに,粒成長実験を行うとともに,粒成長速度データ及び平均粒径データの蓄積・解析を行った.この実験により,鉱物の粒成長の過程及び速度がかんらん石・単斜輝石の量比に依存して変化することが明らかとなった.特に,かんらん石/単斜輝石の量比が7/3を境に,かんらん石の粒成長速度が大きく異なることを見出したことは,地球内部におけるマントルダイナミクスを考える上で意義が大きい.この成果は既に学会発表にて公表した. さらに,かんらん石-単斜輝石系における鉱物の粒成長速度は水の有無によっても変化することを明らかにした.同様のことはかんらん石のみからなる系(Karato,1989)において既に明らかにされていた.しかし,実際の地球内部でのマントル流動における水の効果をより詳細に議論する上で,本実験の成果は不可欠である. また,かんらん石-単斜輝石系における粒成長実験を行うのに際し,岩石の微細組織,特に鉱物粒界の分布を可視化することは必要不可欠である.しかし,従来の岩石試料の処理法では二相以上の鉱物からなる岩石での鉱物粒界の分布を可視化することは困難であった.今回,その手法を開発することに成功し,その手法を論文で公表した.この論文は国際誌に受理された.
|
Research Products
(2 results)