2006 Fiscal Year Annual Research Report
マントル鉱物の拡散特性とマントルおよび沈み込むプレートのダイナミクスへの応用
Project/Area Number |
05J04678
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
下宿 彰 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マントル遷移層 / リングウッダイト / 拡散 |
Research Abstract |
マントル遷移層や沈み込むプレートのダイナミクスに関する考察を行う目的で,マントル遷移層の主要構成鉱物である(Mg, Fe)_2SiO_4リングウッダイト中で変形を律速していると考えられるシリコンの拡散速度に対する温度と含水量依存性を明らかにする研究に取り組んだ。 実験はマントル遷移層に相当する圧力発生が可能な川井型高圧発生装置を用いて行った。第1年度目の研究において,拡散源として^<29>SiO_2を用いた場合には,リングウッダイトと^<29>SiO_2の境界部にイルメナイト相が形成されていることがわかりリングウッダイト中のシリコンの拡散係数の測定が困難であることがわかった。従って,拡散源として(Mg, Fe)_2^<29>Si^<18>O_4オリビンを使用することにし,リングウッダイト中のシリコンと酸素の拡散実験を行った。しかし,高温高圧下でアニーリングした際に,リングウッダイト表面の凸凹が大きくなってしまい,二次イオン質量分析計の分解能を下げる結果となってしまったため,拡散係数の測定が困難であった。この問題の改善点として,アニーリングした後でも,表面凹凸の発生を可能な限り抑えることのできるより焼結度の高いリングウッダイトの合成を行い,拡散距離を長くする実験を行い解析中である。
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