2006 Fiscal Year Annual Research Report
星間水素散乱光衛星観測による太陽風3次元構造の研究
Project/Area Number |
05J04717
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中川 広務 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 太陽圏 / 星間水素 / 太陽風 / 星間物質 |
Research Abstract |
申請者は、本研究の最重要目的である「太陽風速度・質量フラックスの全緯度での太陽活動周期変動」を導出するための解析手法を確立し、世界で初めて導出することに成功した。星間水素散乱光観測データとモデルシミュレーションを用いた独自の解析手法を発展させ、名古屋大学太陽地球環境研究所小島正宜教授らから提供いただいた太陽風速度3次元データを組み合わせることで、太陽風質量フラックスの長期変動を連続的に捉えることに成功したのである。太陽圏極域のコロナホールが消滅、再形成される様子を連続的に捉えることができたことは、直接観測では得ることのできない重要な結果である。南半球と北半球とで振る舞いの違う南北非対称構造が発見されたことも、一度に全緯度を知ることのできない直接探査では得られない本研究独自の結果である。現在JGRへ論文を投稿しており、レフリー審査修正を終えた。 また、太陽圏大規模構造および太陽圏界面で発生する中性水素原子の2次的な流入成分について、Space Research Center of the Polish Academy of SciencesのM.Bzowski教授との共同研究は非常に有意義な結果を残した。最新の観測データを反映した3次元時間発展モデルと日本火星探査衛星のぞみ観測データとを比較し、世界で初めて星間水素2次成分を1次成分と区別し、その寄与を定量的に議論することに成功した。結果、これまで考えられてきた以上に2次成分が1次成分から大きくずれて流入していることがわかった。EGU、COSPAR等の国際会議で数値モデル専門家(Dr.Izmodenov, Dr.Quemerais, Dr.Pogorelov etc)と議論した結果、現在のモデルでは説明不可能であることがわかった。これは非常にインパクトのある結果である。現在、A&A特集号で発表予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Secondary population of interstellar neutrals seems deflected to the side2006
Author(s)
Nakagawa, H., Bzowski, M., Yamazaki, A., Fukunishi, H., Watanabe, S., Takahashi, Y., Taguchi, M.
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Journal Title
COSPAR Scientific Assembly 36
Pages: 1170