2005 Fiscal Year Annual Research Report
星間水素散乱光衛星観測による太陽風3次元構造の研究
Project/Area Number |
05J04717
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中川 広務 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 太陽圏 / 星間水素 / 太陽風 / 星間物質 |
Research Abstract |
星間水素散乱光観測データとモデルシミュレーションを用いた独自の解析手法を発展させることで、直接観測が困難な高緯度での太陽風密度長期変動を連続的に捉えることに成功した。その妥当性及び変動メカニズムの原因究明のため、フランス国立研究所のJean-Loup Bertaux教授らの結果と照らし合わせながらお互いの結果について議論を重ねてきた。その一方で名古屋大学太陽地球環境研究所小島正宜教授・徳丸宗利助教授から、惑星空間シンチレーションによって得られた太陽風速度3次元データを提供していただき、本研究で得られた太陽風密度3次元構造と比較することで定量的な議論へ発展させてきた。また、太陽コロナ画像及びCME発生頻度、太陽表面磁場マップなど、膨大なデータベーズを多角的に検証することで、原因究明を試みている。現在フランス国立研究所のRosine Lallement教授と議論を重ねながら、論文を執筆しており、来年度の専門誌への投稿を目指している。 その一方でモデル結果と観測データとの食い違いに着目し、太陽圏界面で発生する中性水素原子の2次的な流入成分について議論を新しく展開してきた。2005年のAGUにおいて、2次成分の可能性を以前から示唆してきたNASA Goddard Space Flight CenterのM.R.Collier氏と活発な議論をかわし、大きな支持を得た。星間水素密度モデルの権威Space Research Centre of the Polish Academy of SciencesのM.Bzowski教授に協力を仰ぎ、最新の観測データを反映した3次元時間発展モデルを利用することで共同研究を進める一方、東北大学山崎COEフェローから提供いただいた同時期に観測された星間ヘリウムのデータを解析中である。結果は、2006年度のEGU, COSPARにおいて発表予定である。
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Research Products
(1 results)