2005 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスケールモデリングによる多結晶金属の材料設計に関する研究
Project/Area Number |
05J04721
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邊 育夢 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 材料設計 / 多結晶金属 / マルチスケールモデリング / 非線形問題 / 有限要素法 / 数値解析 / 結晶塑性論 |
Research Abstract |
マルチスケールモデリングによる多結晶金属の材料評価において,必要となる数値解析手法の開発を行った.特に,マルチスケール解析は計算コストが膨大となるため,計算手法の効率化および計算コストを抜本的に回避するための2つの提案を行った. ひとつは,結晶塑性論に基づく構成モデルの定式化を新たに行った.これは既往の定式化を洗練することで非線形計算を効率的に実施することを狙ったものである.提案手法と既往の手法による計算結果を比較したところ,良好なパフォーマンスを示すことが確認できた. もうひとつは,マルチスケールモデリングの支配方程式である均質化法によって誘導された非線形2変数問題をその解析アルゴリズムに基づき変数ごとに,すなわち,ミクロおよびマクロスケールに分ける解法の提案である.この解法はミクロおよびマクロスケールの境界値問題を連成効果を保持しながら別々に解くことが可能となるため,並列計算による大規模計算を実施せずともPCで現実的な計算コストでのマルチスケール解析が可能となる.本解法の検証も実施し,その適用性を確認した上で,適用時の注意点を示した. また,上記の計算手法を用いて多結晶金属の材料設計を行う際に必要となる材料評価に関する検討を進めている.特に,多結晶金属の結晶粒径依存性を評価するためのモデル化の検討として,既往の研究で提案されているモデルの問題点を指摘すると共に,本研究でのモデル化指針を決めるために,既往の研究を2つに分類し,両者を数値解析によって比較した.どちらのモデルも0.2%オフセット強度において,一般的に結晶粒径とマクロ強度の関係として成り立つHall-Petchの関係が再現可能であることを確認した.
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Research Products
(6 results)