2005 Fiscal Year Annual Research Report
屈折率分布の構造制御による光拡散特性の制御とプロジェクションディスプレイへの応用
Project/Area Number |
05J04735
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
片桐 麦 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | DLC理論 / 拡散光制御理論 / ナノ構造屈折率分布 / 屈折率分布発現メカニズム / プロジェクションディスプレイ / 後方散乱 / ぼけ特性 / 面内均一性 |
Research Abstract |
1.研究の目的 光の拡散角度と方向を制御する新しい拡散光制御理論(Diffused Light Control理論:DLC理論)の確立を目的として、波長オーダーで周期的に形成されたナノ構造の屈折率分布による光の回折、干渉を用いた拡散メカニズムの解析をおこなった。 その結果従来一般に用いられている単純な屈折や反射では実現不可能である拡散角度範囲の非入射角度依存性を有し、かつ回折や干渉では実現不可能な高い効率および非波長依存性を有する特異なナノ構造の屈折率分布を明らかにすることに成功した(特願2004-267170および2004-359623、現在これを国内みなし取り下げして国際特許出願準備中)。 2.本年度の研究実績 本年度の研究では実際に上記のナノ構造屈折率分布に類似した屈折率分布を有する拡散フィルムの拡散特性を測定することで、理論と実験の一致を確認した。また後方散乱特性、ぼけ特性、偏光特性等の諸光学特性に関しても、上記ナノ構造屈折率分布においてどのような特性を示すかを明らかにした。 上記ナノ構造屈折率分布の形成に関しては、類似した屈折率分布を有する拡散フィルムの製造方法をベースにして条件を変えることで屈折率分布発現メカニズムのモデルを形成した。今後はモデルの妥当性を確認すると共に、これを基にして理想的な諸光学特性の実現を目標とする。 さらに上記拡散フィルムのディスプレイへの応用に関する研究をおこない、拡散フィルムに要求される諸光学特性を明らかにすると共に、他光学素子と拡散フィルムの関係の最適設計方法を確立した。また拡散フィルムの特性を評価するうえで、拡散特性、面内均一性、ぼけ特性等ディスプレイの諸光学特性について測定方法を明らかにした。さらに、この拡散フィルムを用いたプロジェクションディスプレイの試作をおこない、直視型ディスプレイに匹敵する特性を有することを確認した。
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Research Products
(6 results)