2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J04746
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 陽司 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | サーフェスエンコーダ / 精密計測 / 多自由度計測 / 正弦格子 / サーフェスステージ |
Research Abstract |
1. 2次元変位検出に関して,従来の2倍の変位感度が得られるダブルパス光学系を採用し,ピッチ40μmの2次元正弦格子を用いることでナノメートルレベルの分解能が得られることを確認した.その際に,センサ出力の正弦信号に誤差として加わる高次成分を波動光学シミュレーションで検討し,格子振幅の最適設計を行った.この結果,線形性の良い出力が得られるようになり,格子ピッチ間の内挿を高精度に行えるようになった. 2. 3軸の姿勢検出に関して,変位検出と同じように正弦格子を用いる新しい原理の姿勢検出センサを提案した.正弦格子に平行光束を照射し回折光を利用する方式である.回折光のうち,0次回折光をレンズと4分割フォトダイオードからなるオートコリメータで受光する.幾何光学のオートコリメーション法より,まず,面外の2軸の傾斜を検出できる.さらに,±1次回折光を同じくレンズと4分割フォトダイオードからなるオートコリメータで一括して受光する.2つのスポットは異なる2素子間に集光し,格子面内の回転でそれと同じ角度だけフォトダイオード上で回転する.2素子間の出力の変動からその回転量を検出する原理である.また,面内の回転にはダブルパス光学系を採用することで面外の傾斜からの影響を低減させている.このセンサは外部に角度センサを設置する従来の方式とは異なり,平面構造で3軸の姿勢検出ができるため,サーフェスエンコーダとの組み合わせに構造的に適している. 3. 位置と姿勢のセンサを組み合わせることで多自由度センサを構築し,サーフェスステージの位置決めに適用した.ステージ静止時の位置決めノイズで位置は50nm,面内の回転は1秒,面外の傾斜は0.1秒という値を得た.また,長ストロークの駆動実験より,8μmの追従誤差を得られた.
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