2005 Fiscal Year Annual Research Report
Fe-Ni系高性能強磁性超弾性合金の開発とその応用
Project/Area Number |
05J04763
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 優樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 強磁性形状記憶合金 / 機能性材料 / Fe-Ni-Al基合金 / 超弾性特性 / マルテンサイト変態 / 加工熱処理 / 集合組織 |
Research Abstract |
強磁性形状記憶合金は新しいタイプの機能性材料として多分野への応用が期待されている。しかしながら、従来材は高価で加工性に乏しいことから実用分野には制約が大きく、低コスト・高加工性を有する新合金系の開発が待たれている。最近、申請者らは安価でかつ従来材では成し得ない製造性を有するFe-Ni-Al基合金において、Fe-Ni系では世界初となる超弾性の発現を見出し、現在の強磁性形状記憶多結晶材では最高の超弾性特性を得ることに成功した。これにより、本合金は強磁性超弾性合金として、トルクアクチュエータや磁気・歪センサー等の新機能性材料として非常に有望であることが明らかとなった。そこで、本研究では、Fe-Ni-Al基強磁性超弾性合金について、合金設計や加工熱処理を利用した組織制御により、形状記憶・超弾性・磁気・磁歪特性等の改善を試み、新高性能Fe-Ni基強磁性超弾性合金を開発する。本年度の研究業績は以下の通りである。 マルテンサイト変態、形状記憶・超弾性特性に及ぼすTi、V、Co、Nb、Mo、Ta、W等の添加元素の影響について調査した。その結果、Coはマルテンサイト変態点を上昇させ、その他の元素は低下させることが分かった。また、Ti、Nb、Taはマルテンサイトの熱ヒステリシスを減少させ、これにより、形状記憶・超弾性特性を向上させることが明らかとなった。さらに、加工熱処理により集合組織を制御することで、より良好な形状記憶・超弾性特性が得られることも明らかとなった。
|
Research Products
(1 results)