2005 Fiscal Year Annual Research Report
核子反応に伴うフラグメント生成に関する実験的研究とその応用
Project/Area Number |
05J04771
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
萩原 雅之 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 中性子 / 陽子 / フラグメント / 核反応 / ブラッグカーブカウンター / シングルイベントアップセット / 核データ / 重粒子 |
Research Abstract |
本研究では、加速器施設や宇宙空間での放射線照射効果の評価、更には地上においても懸念されている半導体ソフトエラー現象の解明に必要不可欠であり、新たに線量評価に加えるべきと考える核子入射のフラグメント(α粒子より重い二次粒子)生成に関して、新たに広域・高効率を有するフラグメント測定手法の開発を行い、数10MeV核子入射反応に適応して、炭素、アルミニウム、シリコンの系統的なフラグメント生成微分データを初めて取得した。得られた実験データを、多くの分野に応用されているデータライブラリ(LA150,JENDL-HEなど)や最新の理論計算コード(PHITS, TALYS)と比較し、これらの現状と問題点を明らかにし、その問題点を解決および改善するための方針を検討した。 具体的には、大きな立体角が期待できるブラッグカーブカウンター(BCC:粒子のブラッグピークの違いから1個の検出器で粒子を弁別測定できる)法に基づいたフラグメントエネルギースペクトル測定法の開発・改良を行った。従来のBCCでは困難な低エネルギー、高エネルギー領域を測定するために、飛程情報を用いた粒子弁別法と検出器への部分的なエネルギー付与から高エネルギー粒子のエネルギースペクトルを導出するスペクトル補正法を新たに開発し、BCC法の測定エネルギーダイナミックレンジを大幅に拡げた。中性子に関しては、内部サンプルとセグメントアノード電極を導入し、大きな立体角と粒子弁別分解能の両立を図り、中性子入射によるフラグメント微分断面積測定を可能とした。また、エネルギー・TOF法(E-TOF:粒子の飛行時間の違いから粒子を弁別測定)に基づいたフラグメント測定法の開発も行い、両手法を用いて、50,70MeV陽子と65MeV中性子に対するフラグメント生成二重微分断面積データを取得した。
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Research Products
(4 results)