2005 Fiscal Year Annual Research Report
多極磁場を有するプラズマ反応器の最適化に関する研究
Project/Area Number |
05J04788
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武木田 秀人 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 粒子モデル / PIC / MC法 / 多極磁場 / プラズマプロセシング / エッチング / IED |
Research Abstract |
多極磁場のプラズマ閉じ込め効果についてPIC/MC法を用いた解析を行った.多極磁場の効果がはじめて示された装置に注目し,中心軸上の加熱されたフィラメントからの電子放出により維持される熱陰極放電を2次元でモデリングした.背景ガス圧力,磁場の強さ,磁極数を変化させた系統的解析を行い多極磁場のプラズマに対する影響を明らかにした.プラズマ密度は5mTorr以下の圧力域において約一桁,増加し,電子密度が磁極付近にピークを持つこと,プラズマ電位が負の値を持つことが明らかにされた.中心から放出された高エネルギー電子の平均自由行程が放電長さよりも長いような低圧力な条件の場合に,プラズマ閉じ込めの効果が大きいことが分かった.また閉じ込めのために最適な磁極数が存在することが明らかにされた. 2次元の解析を発展させ,軸方向に有限の装置形状を考え,多極磁場を有するVHFプラズマ反応器の3次元解析を行った.装置形状としては円筒状であり,軸方向に平行平板型電極が存在する.プラズマ構造に対するガス圧力と多極磁場の影響を解析した.プラズマ密度は40mTorr以下の圧力域において約一桁,増加する.また磁場無しでは放電を維持することの出来なかった10mTorrにおいても放電を維持することが出来た.プラズマ密度は壁面付近でピークを持ち,このピークの存在により,電極へのイオンフラックスの一様性が悪化する.一方,電極に入射するイオンのエネルギー分布関数(IED)の形状には磁場は大きな影響を与えない.2次元の場合と比較すると,高エネルギー電子の生成場所が装置全体に広がるためにさらに高い圧力域においても磁場が有効であることが示された. 以上,本研究ではPIC/MC法による多極磁場を有するプラズマ反応器の解析を行い,閉じ込め条件とプロセスの一様性に対する影響の観点から最適装置設計の指針となるための指針を得た.
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Research Products
(5 results)