2005 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光性核酸塩基検出試薬を利用した簡素な一塩基多型検出法の開発と応用
Project/Area Number |
05J04798
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐竹 弘行 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 一塩基多型 / 蛍光性有機小分子リガンド / 脱塩基部位 / 蛍光発光応答 / 蛍光レシオ検出 |
Research Abstract |
DNA中の一塩基多型(SNPs)は疾患や薬剤応答等の個人差の原因であり、その迅速かつ簡便な検出法の開発が、テーラーメイド医療の実現に向けて課題となっている。当研究室では蛍光性有機小分子リガンドと脱塩基部位(AP site)含有DNAプローブを併用する蛍光検出法を提案し、PCR産物の迅速かつ簡便な解析が可能であることを示してきたが、開発されたリガンドはいずれもターゲット塩基に対し蛍光消光応答を示し、次世代リガンドの開発には蛍光応答特性の改善が重要な研究課題となっていた。 そこで本年度は、疎水場蛍光プローブであるNBD(7-Nitrobenzo-2-oxa-1,3-diazole)をAMND(2-Amino-7-methyl-1,8-naphthyridine)にリンカーを介して連結した新規SNPs蛍光レシオ検出リガンドAMND-NBDを開発した。AMND-NBDとAP site含有DNA二重鎖の相互作用を評価したところ、ターゲット塩基がシトシンの場合にのみNBDが蛍光発光応答を示した。また、AMND-NBDは一つの励起波長で異なる二波長の蛍光を観測可能であったことから、擬似カラー表示による蛍光レシオ検出を行ったところ、色調、明るさの変化によりシトシンの明瞭な検出に成功した。さらに、シトシンに対するAMND-NBDの結合親和性は、PCR産物の解析が可能な強さを示した。 またリンカーの比較的長いAMND-1-NBDも開発した。このAP site含有DNA二重鎖との相互作用を評価したところ、AMNDはAMND-NBDの場合と同じくシトシン、チミン蛍光消光選択性を示したのに対し、NBDはほとんど選択性を示さなかった。従って蛍光レシオ検出を行ったところ、ピリミジン塩基、プリン塩基の明瞭な判別に成功した。またシトシン、チミンに対する結合親和性は単独のAMNDに匹敵する強力なものとなった。
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