2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞毒性ポリエーテル分子の多様性指向型全合成と活性発現構造の解明
Project/Area Number |
05J04831
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塚野 千尋 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ギムノシン-A / ポリ環状エーテル / 鈴木-宮浦カップリング反応 / 細胞毒性 / 構造活性相関 / 全合成 |
Research Abstract |
本研究では、多様な生物活性を有する梯子状ポリ環状エーテル化合物の中より強力な細胞毒性を有するギムノシン類を取り上げ、効率的かつ迅速な構造類縁体の合成と詳細な構造活性相関によりその生物活性発現に要求される構造要因を明らかにすることを目的とする。本年度は主として以下の三点を達成した。 1.現在までに、ギムノシン-Aの生物活性発現機構は全く明らかにされていない。本研究では鈴木-宮浦カップリング反応を基盤とした収束的ポリエーテル骨格構築法を用いてギムノシン-Aの全合成を達成している。今回、生物活性発現機構の解明研究に必要とされているギムノシン-Aを、既に確立したこの全合成経路に従い、供給した。 2.ギムノシン-Aは複雑な巨大分子構造を持つために化学修飾による誘導化が困難であり、微量の天然物を用いた詳細な構造活性相関はほとんど行われていなかった。今回、ギムノシン-Aの全合成中間体より当グループで独自に開発した鈴木-宮浦カップリング反応を基盤とする収束的ポリエーテル骨格構築法を用いて、ギムノシン-Aの構造類縁体となる9環性化合物を合成した。ギムノシン-Aと9環性構造類縁体のEC_<50>値を比較することによって、細胞毒性を発現するためには少なくとも10個以上の連続したエーテル環縮環構造が必要であることを明らかにした。 3.ギムノシン-Bはギムノシン-Aと同等の細胞毒性を有する15環性梯子状ポリ環状エーテルである。ギムノシン-Bの全合成に向けて、これまでに合成例のない構造を有するNO環部のモデル化合物の合成をおこなった。NO環部は7員環エーテル酸素を挟んで二つの核環メチル基を有している。この構造を二つの核環メチル基を持つ6員環エーテルよりの酸化的開環と、閉環メタセシス反応により構築することに成功した。
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Research Products
(1 results)