2005 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマイクロマシニングによる隔膜型細胞デバイスの構築
Project/Area Number |
05J04836
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田光 公康 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 細胞チップ / マイクロマシニング / 遺伝子導入 / エレクトロポレーション / バイオアッセイ |
Research Abstract |
本年度は,細胞機能の評価が簡便に再現性良く行えるアッセイシステムの開発を目的とし,微細構造体を利用した培養システムの開発,ならびに電気化学計測に基づく細胞計測との融合をおこなった.以下に,本研究で得られた成果を述べる. 細胞集団に対して簡便に再現性良く局所薬剤投与をおこなうことが可能な隔膜型の培養基板を開発し,電気化学計測(SECM測定)や細胞パターニング技術と組みあわせることで,局所薬剤投与に基づくバイオアッセイシステムを構築した.直径約50μmの貫通孔を有する培養基板を作製し,細胞数個の領域に40分間以上継続して局所薬剤投与がおこなえるシステムを実現した.次に,開発した局所薬剤投与技術を,SECM測定や細胞パターニング技術と組みあわせて,相対比較に基づく電気化学バイオアッセイと,心筋細胞マイクロパターンの薬理特性の評価がおこなえることを確認した.これらは,バイオアッセイにおける感度と信頼性の向上,および,細胞間作用の詳細な解析を可能とする有用な成果である.これらの成果はSensors and Actuators誌にて発表した. また,貫通孔を有する培養基板の上下に平板電極を設置すると,電場印加によるエレクトロポレーション現象を利用して,細胞集団の局所に分子導入がおこなえることを明らかにした.これは,培養基板の貫通孔近傍に高電場が局所形成されることを利用したものであり,サイズが異なる貫通孔の配置によって,蛍光分子やDNAの導入に最適な電場強度をスクリーニングすることに成功している.この成果は,医学,生物学的に重要な初代培養細胞やES細胞などへも簡便に遺伝子を導入するシステムの実現に有効な知見である. 以上のように,微細な構造を有する細胞培養システムを開発,ならびに細胞アッセイへの応用をおこない,隔膜型細胞デバイスの構築に有効な成果を得たと考えている.
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Research Products
(1 results)