2006 Fiscal Year Annual Research Report
CD4陽性記憶T細胞発生・維持におけるOX40の機能的役割
Project/Area Number |
05J04855
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井根 省二 東北大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | サイトカイン / CD4陽性T細胞 / T細胞補助シグナル / T細胞恒常性維持増殖 |
Research Abstract |
【目的】記憶T細胞の成立・維持機構は十分に解明されておらず、特に、CD4陽性記憶T細胞の成立・維持機構の解析はCD8+T細胞のそれに比べてほとんど進んでいない。以前より、OX40-OX40L系がCD4陽性記憶T細胞の成立に関与することは知られていたが、その機序については全く不明である。本研究では、記憶T細胞成立・維持に重要とされているT細胞恒常性維持増殖おけるOX40の役割を明らかにする。 【結果】OX40欠損マウス由来CD4陽性T細胞をリンパ球欠損マウスあるいは放射線照射野生型マウスに移入し、その恒常性維持増殖を測定した結果、OX40シグナルがCD4陽性T細胞恒常性維持増殖に促進的に機能することを見出した。次に、T細胞恒常性維持に必須のサイトカインIL-7とOX40との機能的冗長性・特異性を明らかにするために、上記CD4陽性T細胞移入実験において阻害性抗OX40L抗体および抗IL-7受容体抗体投与を行った。その結果、CD4陽性ナイーブT細胞恒常性維持増殖は、抗IL-7受容体抗体投与のみでほぼ完全に抑制され、抗OX40L抗体はほとんど抑制が見られなかった。他方、CD4陽性記憶T細胞の恒常性維持増殖は、どちらかの抗体単独投与により強く抑制され、さらに両者の投与により完全に抑制された。すなわち、CD4陽性ナイーブT細胞とCD4陽性記憶T細胞恒常性維持は異なる機序で制御され、特に後者はOX40シグナル依存的であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)