2006 Fiscal Year Annual Research Report
パーソンズの「制度的個人主義」から現代の個人主義を問いなおす
Project/Area Number |
05J04929
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西山 宝恵 東北大学, 大学院文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | パーソンズ / 法社会学 / 個人主義 |
Research Abstract |
パーソンズの「個人主義」概念は、彼の理論、思想、アメリカ社会分析など多次元におよぶ問題を内包しているが、そのいずれにおいても「制度的個人主義」という概念がカギとなっている。本年度前半は、『制度的個人主義』という題でパーソンズ研究書を著したフランスの社会学者フランソワ・ブリコーに着目し、以下のことを明らかにした。『制度的個人主義』執筆中のブリコーは、パーソンズ理論のなかでもシンボリック・メディア論と、法学から影響を受けた部分に強い関心を抱いていた。パーソンズはそんなブリコーにたいし、自らが法学者フラーに影響を受けていることを認めている。このことは、その後ブリコーが、行為者を「拘束」すると同時に行為者によって作られもするというデュルケム以来の「行為-環境」概念について考察を深めていく土台となっていると考えられる。たとえば、彼はフランスにおける知識人層を、デュルケムによる職業組合への着目や、パーソンズの専門職分析におけるフィデュシャリー概念から分析した(cf. le bricolage ideologique)。ブリコーは、パーソンズがデュルケムを再評価するなかで見出した「行為-環境」概念を、近代フランス社会分析に接合させたと言うことができる。研究再開後に、ブリコーによるペルー研究を解析し、以上の考察とあわせて論考発表を行う。
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Research Products
(1 results)