2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J04943
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森井 慶 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 分散型偏微分方程式 / 平滑化効果 |
Research Abstract |
第一に、斉次定数係数分散型偏微分方程式の初期値問題の解の平滑化効果に関する結果が得られた。これまでは表象が実数値斉次函数であり低階項のない場合が主に考えられ、ある状況においては平滑化効果が得られる為には微分作用素が実主要型でなければならない事が知られている。本研究では低階項のある場合においても他に適当な条件をみたせば平滑化効果が得られる事を示した。即ち、低階項が主部に吸収される為の一つの十分条件を与えている。また、微分作用素が実主要型でないが低階項の影響により平滑化効果が得られる例を与えた。表象のグラフ上のフーリエ制限不等式を示す事により時間大域的かつ空間局所的な平滑化評価式を得た。雑誌論文には未掲載であるが、国内の複数の学会で研究発表を行った。 第二に、非斉次定数係数偏微分方程式の初期値問題の解の平滑化効果を、その微分作用素のレゾルベントに関する評価を示す事により導いた。これは本学・本研究科の千原浩之助教授との共同研究である。微分作用素がラプラシアンである場合に既に知られているレゾルベント評価を、その表象が原点を除き正値であり、斉次函数でその斉次次数が1より大きく空間次元数未満であり、表象のレベル集合のガウス曲率が至る所0でないような微分作用素に対して示した。主な手法は表象のレベル集合上に制限されたフーリエ変換を精密に評価する事である。また、レゾルベント評価から対応する斉次方程式についての平滑化効果も得られる。
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