2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波を用いた2層系量子ホール状態におけるマクロ・コヒーレンスの研究
Project/Area Number |
05J04948
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩田 一樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 量子ホール効果 / 低次元半導体物性 / 2層系 / 巨視的コヒーレンス / 強磁場下での物性 / 電子物性 |
Research Abstract |
平成17年度は、東北大学大学院理学研究科並びに、京都大学化学研究所より移管された希釈冷凍機(以下、前者を1号機、後者を2号機と呼ぶ)の立ち上げ作業を中心に行なった。 17年度4月に東北大学より移管された1号機は17年度末に立ち上げ作業が終了し、最低温度40mk以下にまで到達した。その後、この冷凍機に取り付けた2層系サンプル(ΔSAS=10K)の電子密度、移動度、各層の電子密度のゲート依存性など、基礎的なデータの採集を行い、1号機が2層系量子ホール状態測定可能なクライオスタットであることを確認した。今後、この冷凍機を用いて輸送現象の測定を行い、2層系量子ホール効果の研究を行なう予定である。 2号機は17年度始めに京都大学化学研究所より移管され、マイクロ波を用いた2層系量子ホール状態測定用に整備中である。こちらは、マイクロ波導入回路を組み込み、平成18年度中の立ち上げ完了を目標としている。また、それと平行して、新たな2層系サンプル(ΔSAS=1mK)を2層独立コンタクト可能にデバイス化する予定である。 また、前年度から東北大学で行なっていた、「ν=2/3量子ホール状態におけるのヒステリシス現象の面磁場方向に対する異方性の研究」を平成17年度、東北大学に在籍した森野(現博士)の協力の下、継続して研究を行い、分数量子ホール状態のスピン相転移点における、ドメイン構造が面磁場によって変調されていることを見出し、LT(2005,8)、MS+S(2006,2)、物理学会年次会(2006,3)において、成果発表を行った。今後、この成果を論文としてまとめる予定である。
|
Research Products
(5 results)