2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J04953
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上本 純平 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 赤道域電離圏 / 電子密度構造 / トップサイドサウンダー / F3層 / ISIS-2衛星 / Ohzora衛星 / Akebono衛星 / IRIモデル |
Research Abstract |
赤道域電離圏は、これまでに地上観測、人工衛星、ロケット等を用いた観測、理論的研究の長い歴史を持つ領域であり、赤道域電離圏全体の描像は現在確立されつつあるが、尚、多くの解決されるべき問題が残されている領域である。本研究では、近年地上観測からその存在が見出されたF3層の出現特性、及びそのダイナミクスの解明を中心として、赤道域電離圏の電場構造、プラズマと中性大気風の相互作用といった問題の解明を目的に観測データ解析、及びシミュレーションによる研究を進めている。本年度は、ISIS-2衛星、Ohzora衛星、及びAkebono衛星のトップサイドサウンダーデータの解析を行なった。ISIS-2衛星、及びOhzora衛星データの解析の結果、F3層の出現位置に関しては、これまでに報告されている地上観測の結果と同様に赤道域に局在していることが確かめられたが、出現率の季節依存性は、地上観測結果のそれと逆の傾向を示すことがはじめて明らかとなった。これは、電子密度構造に対する電場、及びプラズマと中性大気風との相互作用の寄与の割合がボトムサイドとトップサイドにおいて異なることによって説明できる可能性を示唆した。一方、Ohzora衛星、及びAkebono衛星のデータを用いて、国際電離圏標準モデル(IRI-2001)の評価し、特に夜間においてIRIモデルは電子密度を観測値より大きく見積もっていること、また現在のIRIモデルではF3層を再現できないことを示した。
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