2005 Fiscal Year Annual Research Report
星間水素散乱光を利用した太陽裏側活動領域とフレアのリモートセンシング
Project/Area Number |
05J04954
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡崎 良孝 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 宇宙天気 / 星間水素散乱光 / 太陽活動領域 / 銀河宇宙線 / 惑星間空間 / MHDシミュレーション / コロナ質量放出 / 太陽風相互作用領域 |
Research Abstract |
今年度は1.数時間-数日スケールの星間水素散乱光強度変動と太陽活動との比較 2.星間水素原子を含めた太陽圏MHDシミュレーションの構築、3.星間水素散乱光データと比較するための地上銀河宇宙線データの解析、の3点を中心に研究を進めた。以下順に状況をまとめる。 1.数時間-数日スケールの星間水素散乱光強度変動と太陽活動との比較を行なった。数時間スケールの変動は、太陽フレア・太陽コロナ質量放出等に対応し、数日スケールの変動は活発な太陽活動領域の活動度の変化に対応する。数日スケールの変動については両者の間に非常に良い相関が得られることが分かり、このような短時間スケールの変動においても星間水素観測の宇宙天気予報への利用が可能であることが示された。この結果は2005年5月の地球惑星科学関連2005年合同大会にて報告した。しかしながら数時間スケール変動については星間水素散乱光と太陽活動との間に一対一の対応が見られなかった。これを明らかにするために、以下2と3のテーマを進めた。 2.観測データとの比較・再現を行なうために、太陽風・星間風プラズマに中性星間水素原子を加えた2次元・2流体の太陽圏シミュレーションコードを作成した。その経過については、2005年9月の第118回SGEPSS講演会にて発表を行なった。今後は3次元コードへの拡張を行い、シミュレーション結果と観測データとの比較・再現を行なう予定である。 3.星間水素散乱光データと比較する新たなデータとして地上銀河宇宙線データを導入した。データを管理する名古屋大学・信州大学の研究者らとコンタクトを取り共同研究の準備が整い、現在解析を始めた段階にある。今後は、数時間スケールの変動である太陽コロナ質量放出や太陽風相互作用領域に対する銀河宇宙線データの応答を調べ、その結果を元に星間水素散乱光強度変動の原因を明らかにする予定である。
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Research Products
(1 results)