2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロプローブアレイを用いた電気インピーダンス3次元バイオナノイメージング
Project/Area Number |
05J04970
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩見 健太郎 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 微小電気機械システム(MEMS) / マイクロマシン / ナノテクノロジー / 走査型プローブ顕微鏡(SPM) / テラヘルツ(THz) / 近接場光学 / 分光学 / 計測工学 |
Research Abstract |
薬剤の毒性試験や薬理効果の確認,あるいは将来のドラッグデリバリーシステムの実現などのため,培養細胞内における薬剤の分布・拡散や化学作用を調べることが求められている。多数の電極を用いて生体に無害な周波数の電流を流し,生体内のインピーダンスの分布を測定する電気インピーダンスCT(EIT)は,空間分解能は劣るものの,高コントラストの3次元画像を高速に得ることができるため,時間的に変化する事象の測定に向いているとされている。EITの分解能を向上させるには,電極自体を微細化すればよい。そこで本研究では,微小電気機械システム(MEMS)技術を用いて微小なプローブアレイを作製することで,ナノスケール空間分解能を持つEITの実現を目指し,細胞1個レベルでの物質分布・拡散過程を高分解能かつリアルタイムに無標識3次元撮像し,かつマニュピレーションなどの能動的機能を有するシステムを構築する。分析に使用する周波数としてTHz帯を用いると,分子に固有の吸収スペクトルを示すために、試料内のがん細胞や薬剤分子といった異物の検出が標識なしで可能となる。また、平板上のサンプルに置かれた多数の細胞やウイルスなどの試料を一個一個見分けることができる。この性質を利用するため、平成17年度には,テラヘルツ帯での発振・受信が可能なアンテナ構造の設計・製作および測定用光学系の製作を行った。平成18年度には、前年度に行った成果を具体的な集積化デバイスとして製作するための、採用可能な材料の探索を行った。この結果、酸化亜鉛(ZnO)が集積化テラヘルツデバイスに適していることを見出した。さらに、集積化デバイスの製作を行った。
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