2005 Fiscal Year Annual Research Report
成体脳のニューロン新生に関与するPax6の機能解析
Project/Area Number |
05J05015
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
櫻井 勝康 東北大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アストロサイト / 大脳皮質 / 海馬 / Pax6 / マウス / 形態 / 初代培養 / GFAP |
Research Abstract |
成体脳においてアストロサイトの詳細な観察を行った結果、大脳皮質および海馬に存在するアストロサイトのほぼすべては、Pax6陽性であることが明らかとなった。そこで、大脳皮質および海馬のアストロサイトにおけるPax6の機能解析を行った。 大脳皮質および海馬に存在するアストロサイトのin vivoにおける形態を、野生型とPax6変異ヘテロ接合マウスとで比較した。方法としては、8週齢のマウスの切片で、抗GFAP抗体を用いて蛍光免疫組織染色を行い、共焦点レーザー顕微鏡により、アストロサイトの形態を観察した。その結果、野生型に比べ、Pax6変異ヘテロ接合マウスでは、アストロサイトの突起伸展や分枝が貧弱であることが明らかとなった。次にin vitroでアストロサイトの形態を観察するためにE18の野生型およびPax6変異ホモ接合マウスの大脳皮質を用いて、アストロサイトの初代培養を行った。その結果、無刺激の状態では、野生型とホモ接合マウス由来のアストロサイトは多角型を示し、形態的違いは認められなかった。次に、よりin vivoの状態を反映するために、初代培養アストロサイトに1.0mMのdbcAMPを添加し、多角細胞から星形細胞への形態変化を観察した。その結果、Pax6変異ホモ接合マウス由来のアストロサイトは、野生型に比べて形態変化が起こりにくいことが明らかとなった。以上の結果から、大脳皮質および海馬のアストロサイトにおいて、Pax6はその形態形成に関与していることが明らかとなった。
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