2005 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体前葉細胞間情報伝達因子としての免疫制御因子、IL-18の新たな機能の解明
Project/Area Number |
05J05032
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永井 康裕 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 牛下垂体前葉細胞株 / 幹細胞・前駆細胞関連遺伝子 / 炎症性サイトカイン / marginal cell layer / Immuno-endocrineネットワーク |
Research Abstract |
インターロイキン18(IL-18)は、炎症性サイトカインの一種で、細胞性ならびに液性免疫の反応を促進するユニークなサイトカインであり、サイトカインネットワークの上位に位置する。本研究では下垂体前葉細胞におけるIL-18の作用とその機構を解明することを目的とする。本年度は研究計画に従い遂行し、以下の成果が得られた。 1.ウシ下垂体前葉由来細胞株の性質調査 ウシ下垂体前葉より、樹立した細胞株(BPC-1)は、単一細胞から増殖した株であり、盛んな増殖能を有することから、幹細胞様の細胞であることが予想される。そこで、BPC-1での幹細胞・前駆細胞関連遺伝子の発現をRT-PCRによって解析を行った。その結果、BPC-1はnestin,Oct-4,Notch1,Hes1,Ptch1, LHX3のmRNAを発現する細胞株であることが判明した。さらに、Hes-1,β-cateninが細胞核に局在することから、NotchシグナルとWntシグナルが伝達する細胞株であることが示された。続いて、BPC-1を抗原として、BALB/Cマウスで、BPC-1表面抗原を認識するモノクローナル抗体を4種類作製した。抗体はすべてFACSと免疫染色に使用可能で、免疫染色において、下垂体前葉細胞が発生するといわれるmarginal cell layer部位の細胞で同様の局在を示した。 2.BPC-1におけるIL-18の機能解析 BPC-1は抗原取り込み能を有し、恒常的にIL-6,IL-7,IL-12,IL-15のmRNAを発現し、また、IL-18刺激に反応して、炎症性サイトカインであるIL-1α,IL-1β,IL-6,IL-8のmRNA発現を増強した。さらに、IL-18刺激に伴ってMAPK p38のリン酸化が上昇したことから、細胞内のIL-18のシグナル伝達系がMAPK経路を介すことが示唆された。 以上のことより、本年度の年次計画は滞りなく行われた。BPC-1の下垂体前葉における役割を詳細に解析することにより、immuno-endocrineネットワークの新たな一面を照らし出すことが出来ると考えられる。
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Research Products
(2 results)