2006 Fiscal Year Annual Research Report
微生物へ遺伝子組換え手法により導入可能な新規エネルギー供給系の開発
Project/Area Number |
05J05033
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
七谷 圭 東北大学, 大学院農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 産業微生物 / 有用物質生産 / エネルギー供給 / 脱炭酸的リン酸化 / トランスポーター / Asp : Ala交換輸送体 / 膜蛋白質の結晶化 / システインスキャニング |
Research Abstract |
微生物による有用物質の生産は広く普及しているが、生産量は菌体内のエネルギーの低下により限定される。そこで、本研究ではアスパラギン酸-β-脱炭酸酵素(AspD)と電位差形成的アスパラギン酸(Asp):アラニン(Ala)交換輸送体(AspT)の二つの因子のみによって構成されるAsp : Ala変換型脱炭酸的リン酸化反応に着目した。醤油乳酸菌Tetragenococcus halophilusより同定されたAspT(Th-AspT)と、産業微生物Pseudomonas dacunhaeより同定されたAspT(Pd-AspT)は、同一の機能を保持しているにも関わらず、両者の輸送速度は全く異なる。そこで、高速型(Pd-AspT)、低速型(Th-AspT)Asp:Ala交換輸送体(AspT)の分子構造を比較解析することで、AspTの基質輸送機構、及び輸送速度制御機構を明らかにすることを目的とした。 申請者は、昨年度に引き続きクライオ電子顕微鏡による構造解析に向け、Johns Hopkins大学医学部(米)のPeter C. Maloney博士の元で学んだ、二次元結晶の作製法による二次元結晶の作製を試みている。また、AspT全体の結晶構造ができなかった場合を想定し、AspTに特異的な構造であるAspT中央の巨大親水性ループ領域の部分発現系・精製系を確立し、現在蒸気拡散法による結晶化を進めている。 膜輸送体は疎水性が高いため結晶化が難しいとされている。そこで、Cysteine修飾試薬を用いた解析を行った。その結果、AspTのLooP 4は、reentrant-loopと呼ばれる特徴的な構造を形成していることが明らかとなった。さらに、loop 4に位置するある残基は、基質であるアスパラギン酸の存在下では修飾試薬による修飾が起こらなかったことから、AspTの基質結合による動的構造変化が推定された。
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Research Products
(1 results)