2007 Fiscal Year Annual Research Report
微生物へ遺伝子組換え手法により導入可能な新規エネルギー供給系の開発
Project/Area Number |
05J05033
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
七谷 圭 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DCI)
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Keywords | 産業微生物 / 有用物質生産 / エネルギー供給 / 脱炭酸的リン酸化 / トランスポーター / Asp:Ala交換輸送体 / Cysteine-scanning / 膜貫通α-ヘリックス |
Research Abstract |
微生物による有用物質の生産は広く普及しているが、生産量は菌体内のエネルギーの低下により限定される。そこで、本研究ではアスパラギン酸-β-脱炭酸酵素(AspD)と電位差形成的アスパラギン酸(Asp):アラニン(Ala)交換輸送体(AspT)の二つの因子のみによって構成されるAsp:Ala変換型脱炭酸的リン酸化反応に着目した。醤油乳酸菌Tetragenococcus halophilusより同定されたAspT(Th-AspT)と、産業微生物Pseudomonas dacunhaeより同定されたAspT(Pd-AspT)は、同一の機能を保持しているにも関わらず、両者の輸送速度は全く異なる。そこで、高速型(Pd-AspT)、低速型(Th-AspT)Asp:Ala交換輸送体(AspT)の分子構造を比較解析することで、AspTの基質輸送機構、及び輸送速度制御機構を明らかにすることを目的とした。 AAEファミリーに属するトランスポーターで保存されているアミノ酸残基が多数存在するTM3に着目し、Cysteine-scanning法による解析を行った。その結果、OGMによる修飾実験によりIle^<64>からTyr^<75>に位置するアミノ酸残基はOGMによる修飾を受けないcore regionを形成していることを示した。さらに、このcore regionを挟んで両側にaspartate存在下と非存在下でOGMによる修飾効率が変化するアミノ酸残基を見出した。この結果は、AspTが基質であるaspartateとの結合により構造変化を起こし、periplasm側に開口していたものがcytoplasm側に開口した構造に変化したことを示唆しており、AspTが基質との結合により構造変化を伴うalternating access mechanismによって基質を輸送していることが推定された。
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Research Products
(9 results)