2005 Fiscal Year Annual Research Report
顆粒層細胞の自死細胞早期貪食除去能の解析とその機能亢進による卵胞閉鎖抑制法の開発
Project/Area Number |
05J05038
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三宅 裕子 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 卵胞閉鎖 / 顆粒層細胞 / アポトーシス / 貪食細胞 / CD44 / ポリラクトサミン |
Research Abstract |
胞状卵胞において卵胞閉鎖は顆粒層細胞のアポトーシスによって開始し、その後卵母細胞が死滅すると考えられているが、卵胞が選抜される詳細なメカニズムは未だ解明されていない。しかし、卵胞閉鎖過程に限らず健常卵胞に貪食能をもつ顆粒層細胞が存在し、この顆粒層細胞独自の自己消去システムを機能させて貪食能を高めることにより、アポトーシス細胞を除去して卵胞閉鎖を抑制し、卵胞としての健常性を維持させることを人為的に操作する新規の卵胞閉鎖抑制法の開発が可能であると考えられる。そこで、この新規卵胞閉鎖抑制法の開発を本研究の目的としている。 まず卵胞閉鎖過程における貪食細胞の詳細なプロファイリングを健常卵胞における貪食細胞との比較のために行った。貪食細胞は基底膜の崩壊とともに基底膜内側に侵入しすでにアポトーシスを起こした顆粒層細胞を貪食除去する。貪食細胞はアポトーシス細胞を貪食除去する際にCD44を強く発現し、さらにポリラクトサミンで修飾を受けたことから、貪食細胞の貪食能だけではなく細胞移動性にポリラクトサミンで修飾を受けたCD44が関与することが推測された。一方、健常卵胞の顆粒層細胞間にもポリラクトサミンが豊富に存在していたが、CD44陽性細胞がほとんど見られなかった。しかしながら、卵胞閉鎖過程においては明らかにマクロファージとは異なる貪食細胞が崩壊した基底膜付近に観察され、CD44を強く発現していたことから、これらが顆粒層細胞から貪食細胞に分化した可能性があるのではないかと、今後の解析を進めていく予定である。
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Research Products
(4 results)