2007 Fiscal Year Annual Research Report
顆粒層細胞の自死細胞早期食色除去能の解析とその機能亢進による卵胞閉鎖制御法の開発
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05J05038
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三宅 裕子 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DCI)
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Keywords | 卵胞閉鎖 / 顆粒層細胞 / アポトーシス / CD44 / ポリラクトサミン / ヒアルロン酸(HA) / ヒアルロン酸合成酸素(HAS) / マクロファージ |
Research Abstract |
胞状卵胞において卵胞閉鎖は顆粒層細胞のアポトーシス(自死)によって開始し、その後卵母細胞が死滅すると考えられているが、卵胞が選抜される詳細なメカニズムは未だ解明されていない。また、顆粒層細胞におけるアポトーシスシグナルの検索が行われているものの、アポトーシス誘導機構と決定機構(Point of No-return)は不明である。しかし、卵胞閉鎖過程に限らず健常卵胞に貪食能をもつ顆粒層細胞が存在し、この顆粒層細胞独自の自己消去システムを機能させて貪食能を高めることにより、アポトーシス細胞を除去して卵胞閉鎖を抑制し、卵胞としての健常性を維持させることを人為的に操作する新規の卵胞閉鎖抑制法の開発が可能であると考えられる。そこで、この新規卵胞閉鎖抑制法の開発を本研究の目的としている。 当初、アポトーシス細胞にCD44が発現すると仮説を立てていたが、昨年度までの研究成果から、アポトーシス細胞ではなく貪色細胞であるマクロファージにCD44が強く発現しており、さらにポリラクトサミンで修飾されていることがわかった。貪食細胞の貪食能だけではなく細胞移動性にポリラクトサミンで修飾を受けたCD44が関与することが推測された。そこで次に、CD44のリガンドとして知られるヒアルロン酸(HA)に注目し、HA合成酵素(HAS)について解析を進めた。3種類のブタHAS(Sus scrofahas)のうちクローニングが完了していなかったshas1についてクローニングし、抗shas1ポリクローナル抗体を作製した。shas1は卵胞膜に強く発現し、卵胞膜に蓄積したHAはshas1由来であると考えられた。卵胞閉鎖の進行に伴い、shas1発現量は増加し、卵胞液中のHA濃度が有意に上昇することがわかった。これらの結果は、マクロファージに発現する貪食受容体CD44を介してHAがその貪食能を亢進する可能性を示しているものであり、卵胞閉鎖機構の解明に大きく貢献するものである。
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Research Products
(3 results)