2007 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン構造変換を介した転写制御における出芽酵母アクチン関連タンパク質の役割
Project/Area Number |
05J05040
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 貴人 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アクチン関連タンパク質 / クロマチンドメインの核内配置 |
Research Abstract |
昨年度、Arp6がSWR1複合体以外の複合体に含まれている可能性を示し、テロメア機能に関与している可能性を示した。そこで、Arp6欠損株でテロメアの核内での局在を観察したところ、通常は核膜近傍に局在しているテロメアの局在がランダムな局在になってしまった。この結果から、Arp6がテロメアの核内での正常な局在に必須であることが示された。また、この現象はSwr1欠損株では観察されなかったことから、SWR1複合体非依存的なArp6の機能であると考えられる。Arp6がテロメアを核膜近傍へつなぐのに必要なことから、逆にArp6が結合したクロマチンドメインが核膜近傍へ局在するか調べた。その結果、Arp6を結合させたクロマチンドメインは核膜近傍領域に局在する傾向が見られた。また、Swr1欠損株でもArp6を結合させたクロマチンドメインは核膜近傍に局在する傾向が見られた。これらの結果から、Arp6はクロマチンドメインを核膜近傍に繋ぎとめる活性を持っており、その機能はSWR1複合体非依存的な機能であることが示された。さらに、Arp6が結合し核膜近傍へ移動したクロマチンドメイン周辺に存在している遺伝子の発現量を調べたところ、Arp6結合時に周辺の遺伝子の発現量の減少が見られた。以上の結果より、Arp6はSWR1複合体非依存的にクロマチンドメインを核膜近傍へ繋ぎとめ、その周辺の遺伝子の発現を抑制している可能性が考えられる。
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Research Products
(1 results)