2005 Fiscal Year Annual Research Report
焼酎粕および焼酎粕から製造した醸造酢が有するマウス固形腫瘍の増殖抑制機序の解明
Project/Area Number |
05J05148
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
関 孝弘 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 焼酎粕 / 醸造酢 / colon 38 / NK細胞 / IL-12 / IFN-γ |
Research Abstract |
近年、人々の健康志向に伴い、病気で死なないためのもっとも有効な策である病気の予防が注目されている。その中で機能性食品は、がんなど疾病め予防のため、テーラーメイドの機能性食品の開発が求められている。これまでに我々は、新規な食品として開発した焼酎製造工程から副生する焼酎蒸留廃液(焼酎粕)および焼酎粕から製造した醸造酢が、in vitroおよびin vivoにおいて抗腫瘍活性や抗ラジカル活性などの生理活性を有することを証明してきた。本研究では、抗腫瘍活性および抗ラジカル活性の作用機序の解明とその活性起因物質の精製を行う。 本研究は、最初にマウス結腸がんcolon 38(C38)を用いたin vivo抗腫瘍試験を行った。C38を6週齢雄性C57BL/6 Crに移植し、固形腫瘍を形成した後、両サンプルの混餌投与を開始した。各サンプル含有飼料を21日間投与し、その間の腫瘍体積および生存率を測定した。21日後、マウス血清中のIL2,IL-12とIFN-γの産出量をELISA法により定量した。さらに、脾臓中のNK細胞活性を測定した。その結果、焼酎粕および醸造酢混餌投与群は、contorolと比較して腫瘍体積の増加を顕著に抑制した。さらにマウス血清中のIL-2は各サンプルの投与により産出の増加傾向を示した。IL-12およびIFN-γでは、各サンプルの投与により有意に産出を亢進した。また、脾臓のNK細胞活性を調べた結果、両サンプルの投与によりNK細胞活性は有意に亢進した。以上の結果より、両サンプルを混餌投与することによって免疫機能を亢進させ、抗腫瘍活性を発揮していると考えられた。現在は、この抗腫瘍活性の活性起因物質の精製を行っている。
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