2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化によるゲノム損傷を防御するタンパク質の構造生物学的研究
Project/Area Number |
05J05149
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中村 照也 熊本大学, 大学院薬学教育部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | タンパク質X線結晶構造解析 / DNA修復酵素 / 超分子複合体(タンパク質-タンパク質-DNA) / タンパク質-基質複合体 / 基質認識 |
Research Abstract |
幅広い基質特異性により様々な酸化損傷ヌクレオチドの除去に働くhMTH1(ヒトMutTホモログ1)については,基質および反応生成物である8-oxo-dGTP,2-oxo-dATP,8-oxo-dATP,8-oxo-dGMPとの計4つの複合体構造を決定した.これらのhMTH1複合体構造により,8-oxo-dGTPを極めて特異的に認識する大腸菌MutTとのホモログ間での基質特異性の差異についてのみならず,hMTH1特有の幅広い基質特異性についての構造学的基盤を得た.さらに,変異体の活性測定も併せて行うことで,hMTH1は全く新しい基質特異性発現機構によって主要な2つの基質である8-oxo-dGTPと2-oxo-dATPを認識していることが明らかになった. マウスMUTYH(mMUTYH:DNAグリコシラーゼ),ヒトPCNA(hPCNA:DNAスライディングタンパク質),そしてDNAとの三元複合体については,チオレドキシン融合mMUTYHとhPCNAとの複合体での精製を試みたが,現在の精製条件下では複合体形成効率が良くない可能性が示唆されたため,新たな精製条件の検討,並びにチオレドキシンタグを取り除いたmMUTYHとhPCNAとの複合体での精製条件の検討を行っている.また,チオレドキシンタグを取り除いたmMUTYHが単独では不安定であること,結晶化には発現領域の異なったコンストラクトを用いた検討が必要なことを考慮に入れ,オーダーな構造をとっていないと示唆された領域を欠失させたΔmMUTYHの発現ベクターの構築を完了させ,これらを用いた精製条件の検討にもとりかかる.
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Research Products
(1 results)