2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J05298
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川埜 直美 広島大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | X線天文学 / 銀河系 / 非熱的放射 |
Research Abstract |
本研究の目的は銀河団からの非熱的放射の検出である。これを達成するためには2005年7月に打ち上げられたすざく衛星(Astro-E2)を用いることが必須である。本年度は、すざく衛星の角度応答の測定を行ない、バックグラウンド(目標天体以外からの信号)の推定方法の確立を進めた。また、実際に銀河団を観測し非熱的放射の検出に向け解析も始めており、以下に詳細を述べる。 まず、すざく衛星の打上げにともない、軌道上での検出器の性能評価を行なうため、較正実験に参加した。特に銀河団のような空間的に広がった放射をもつ天体に重要となる角度応答の測定と解析の両方を主導して行なった。その結果、より精度のよい角度応答を得ることができ、地上較正試験と同等の性能を保持していることを確かめた。この成果は、天体のデータ解析に必要なエネルギー応答に反映されている。 また、銀河団からの微弱な非熱的放射の検出にはバックグラウンドを精度良く見積もり、天体からの信号だけを取りだすことが不可欠である。そこで、バックグラウンドの推定手法の一つを確立し、データベース作りを進めた。さらに、非熱的放射が期待できる銀河団を探し出して、観測を提案し、実際に観測を行なった。現状のバックグラウンドや検出器チーム内で作成されているバックグラウンドを用いて解析を行なったところ、非熱的放射の兆候が得られてはいるが、放射強度などは依然としてバックグラウンドに影響されることが分かったので、精度をより向上する必要がある。 このような結果を踏まえ来年度は、バックグラウンドデータベースの精度を向上させ、いくつかの銀河団の解析を行なうことで銀河団からの非熱的放射をより深く検討していきたい。
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