2005 Fiscal Year Annual Research Report
C・R・マッキントッシュを中心とする、イギリスにおける意匠美学の研究。
Project/Area Number |
05J05336
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川口 佳子 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 特別研究員DC1
|
Keywords | Charles Rennie Mackintosh / 建築 / インテリア・デザイン / 透過性 / 近代建築 / 透明性 |
Research Abstract |
本年度は、マッキントッシュの建築のインテリア・デザインにおける「透過性」という性質と、近代建築史における「透明性」という性質との異同をより明らかにするために、主に以下のような研究を行った。 (1)スコットランドのグラスゴーにおける建築・都市調査。 マッキントッシュの建築の内部見学や撮影等に加え、マッキントッシュが手がけた公共・商業建築、およびそれらのベースとなるグラスゴー市の都市計画に関する史料を収集した。調査においては、グラスゴー大学図書館、ハンタリアン・アート・ギャラリー、グラスゴー美術学校等の研究機関および研究者の助力や指導を得た。 (2)近代建築史における空間概念に関する理論的研究。 建築思想・建築批評の講読や、大学院工学研究科からの指導などをもとに、20世紀の建築理論における様々な空間概念の生成と展開を、技術的・哲学的側面から研究している。これにより、「透過性」「透明性」という固有の空間概念を、近代建築史のなかでより相対的に位置づけ、把握することを試みる。 (3)調査・考察の成果の発表 本年度は、8月の日韓美学研究会大会において研究発表を行い、美学・美術史の分野の研究者との意見交換を行った。(KAWAGUCHI, Yoshiko, ‘Transparency' in Modern Architecture and Related Visual Cultural Problems : Charles Rennie Mackintosh and Modernism) 以上のような、周辺資料の収集・調査、建築理論研究、成果発表をさらに進めながら、来年度はマッキントッシュの建築等の実物により即した調査・考証を行う。具体的には、マッキントッシュ自身の著述、スケッチ、プラン等の詳細な解読、「透過性」が用いられている建築の実例の分類的検証などが研究の新たな中心となる。
|
Research Products
(1 results)