2006 Fiscal Year Annual Research Report
グラフのアドレス付け問題。BIBDの生起行列による分解問題。
Project/Area Number |
05J05345
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤 正憲 名古屋大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | t-designs / permutation groups / additive structure / cubature formulae / orthogonal polynomials / optical codes |
Research Abstract |
私は、組合せ論において主要な研究対象であるt-デザインに興味を持って研究している。有限集合Vとそのk-元部分集合族(ブロック集合)との順序対がt-デザインをなすとは、Vの任意のt-元部分集合が一定個数(=λ)のブロックに出現することをいう(S_λ(t,k,v)と表記)。S_λ(2,k,v)はBIBデザインと呼ばれ、統計的実験計画において重要な役割を果たす。また、S1(t,k,v)はシュタイナーシステムと呼ばれ、離散幾何において主要な研究対象の1つである。 最近の結果について述べる。まず、S_λ(2,k,v)の存在性に関して、加法構造と呼ばれる組合せ構造を導入し、2-デザインの種々の構成法を開発した(景山三平教授(広大・教育)と共同)。それらの構成法は、Wilsonの手法と異なり有限群の作用を用いない純組合せ論的なものであるという特色がある。同研究に於いて、加法構造が垂直配列(PA)等の入子構造をもつ組合せ的概念を統合するものであることや、それを用いてこれまで存在性の知られていないデザインの無限系列が得られることを示した。ただし、残念ながらそうして構成された2-デザインは比較的大きな指数をもたざるを得ないことも分かった。また最近の研究で、任意のグラフに対するF_2∪{∞}(∞はZ_2上の置換による固定点)上の3-値符号付け問題(Addressing Scheme)の解と加法構造をもつデザインの結合行列との間に密接な関係があることが解明されてきた。一方t【greater than or equal】3の時、v, kの値に依存しない定数λを指数にもつS_λ(t,k,v)の無限系列に関する論文は、私の知る限り僅か数篇である.これに関して、宗政昭弘教授(東北大・情報)との共同研究で、A×Aut(A)(Aは位数v≡2(mod4)のアーベル群)を自己同型群にもつような単純3-(v,4,3)の存在性を示した。この結果は、Kohler(Lecture Notes in Mathematics 893(1983),195-203)による巡回群を点正則な自己同型群としてもつ単純3-(v,4,3)の存在性に関する結果の一般化になっている。
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Research Products
(6 results)