2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J05346
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮本 幸治 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ハーフメタル強磁性体 / スピン電子状態 / スピン分解光電子分光 / 単結晶薄膜 |
Research Abstract |
本年度は、スピンと電荷を制御するスピントロニクスの材料として有力なハーフメタル強磁性体のスピンに依存した電子状態を観測することを目的とし、今まで行った関連の実験について論文および学会発表などを行った。 (1) スピン分解光電子分光装置の性能を示すため、また、スピン電気伝導に関係した知見を得るためCo/Cuのスピン分解光電子分光実験を行った結果、非常に良質の単結晶試料を作成することに成功し、今まで観測されていなかった表面電子状態を観測するにいたった。このことは、本装置が今までのスピン分解光電子分光装置に比べ非常に高効率であることを示している。これらの結果について国際学会で発表した。また、現在論文を執筆中である。 (2) ハーフメタル強磁性体と理論的に予測されるCo_2MnX(X=Si,Ge)に加え、Co_2MnGaなどの電子状態を観測した結果、これらの電子状熊は理論計算には含まれていない電子相関が重要な役割を担っていることが明らかとなった。この結果は、この物質系が本当にハーフメタルなのかという疑問を投げかける。これらの結果について、現在論文を執筆中である。 (3)最近、スピントロニクス材料で注目されている物質系としてハーフメタル強磁性体のほかにスピン軌道相互作用と空間対称性の破れによって生じる非磁性体のスピンに依存した電子状熊がある。そこで、このような系のスピンの方向やその分裂の大きさなどがスピントロニクスの素子の性能に大きく寄与するため、私は、このような系に対してスピン分解光電子分光を行った。
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Research Products
(6 results)