2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J05346
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮本 幸治 広島大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ハーフメタル強磁性体 / スピンに依存した電子状態 / スピン分解光電子分光装置 / 単結晶薄膜 |
Research Abstract |
本年度は、スピンと電荷を制御するスピントロニクスの材料として有力なハーフメタル強磁性体のスピンに依存した電子状態を観測することを目的とし、以下の事を試みた。 (1)昨年に引き続き、ハーフメタル強磁性体と理論的に予想されているCo_2MnSi、またその類似試料としてCo_2MnGaのバルク試料のスピン積分型光電子分光実験を行い、各元素の部分電子状態密度の抽出を試みた。 (2)ハーフメタル強磁性体の基盤として最も有力視されているMgO(001)単結晶のクリーニングに成功し、その上にFe単結晶薄膜の蒸着に成功した。しかしながら、試料に印加する磁化が弱かったため、残留磁化で実験を行うスピン分光電子分光実験を行うことができなかった。そこで、以下に示す装置自身の改良が必要不可欠であった。 (3)スピン分解光電子分光装置の改良を行った。実験をスムーズかつ複雑な試料を作成するためには試料準備槽の充実が不可欠である。さらに、測定槽において、試料に印加する磁化を強める必要があった。そこで、試料準備槽の充実および試料を真空中で輸送できるように改良することで、他の薄膜作成装置からの輸送が可能となるだけでなく、実験層の試料に印加する磁化を強めることが用意となった。 このような結果および装置の改良を踏まえ、最終年度となる来年度はスピントロニクス材料の有力候補であるMgO(001)単結晶を基盤とした超薄膜や最近注目されている物質系のスピンに依存した電子状態の研究をさらに進めていきたい。
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