2006 Fiscal Year Annual Research Report
LPXRFaペプチドの下等脊椎動物・原索動物における同定と作用機構の解析
Project/Area Number |
05J05355
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大杉 知裕 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RFamideペプチド / LPXRFamideペプチド / 脊索動物 / ホヤ / 軟骨魚類 / ゲノムデータベース / PQRFamideペプチド |
Research Abstract |
本年度はゲノムデータベース検索を用いてホヤLPXRFa-likeペプチドの探索を試みた。検索には情報量が多く、実用的と考えられるNCBI、Ensemble、EMBLなどのゲノムデータベースやESTデータベースを利用した。検索に使用するクエリは各動物のLPXRFaペプチドと、このペプチドグループに近縁であるNeuropeptide FF(NPFF)の前駆体タンパクのアミノ酸配列を用いた。検索プログラムはBlastを用いた。検索の結果、EnsembleのCiona intestinalisゲノムデータベースより、2種類のRFamideペプチドと考えられる配列(ホヤRFa-1とホヤRFa-2)を得ることができた。続いて得られた塩基配列データをアミノ酸配列に変換し、Web上のプログラム(CBS Prediction Servers)を利用して、シグナルペプチドの予測を行った。その結果、ホヤRFa-2のみがシグナルペプチドと考えられる配列を持っていた。ホヤRFa-2は脊椎動物のLPXRFaペプチドとはかなり異なっており、これがLPXRFaペプチドと分子進化学的なつながりがあるかどうかについては、今後さらに解析をする必要がある。 一方、本研究ではこれまでに無顎類において新規RFaペプチドを同定してきたが、その過程でLPXRFaペプチドが共通のモチーフであるLeu-Pro-Leu/Gln-Arg-Phe-NH_2構造を持つようになったのは軟骨魚類以上である可能性が考えられた。そこで、本年度は魚類の中でも下等な形態を持っている軟骨魚類のサメを用いてLPXRFa-likeペプチドの探索を試みた。PCRを用いたクローニングと、データベースを用いた検索解析を同時に進めたところ、データベース検索でLPXRFa-likeペプチドと考えられるアミノ酸配列をコードしているゲノム配列を得ることができた。
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Research Products
(1 results)