2006 Fiscal Year Annual Research Report
RNAアプタマーによるHIV・Tat認識機構の構造学的解明とドラッグデザイン
Project/Area Number |
05J05395
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
松上 明正 横浜市立大学, 大学院国際総合科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ドラッグデザイン / 構造生物学 / NMR / RNA / HIV |
Research Abstract |
昨年度までに、RNAアプタマーと7残基からなるTatタンパク質のRNA結合モチーフの複合体の構造情報を得た。より詳細な情報を得るために、13C, 15N標識RNAアプタマー及び13C, 15N標識RNA結合モチーフを用いて、新たなNMR測定手法等を用いて実験を行った。その結果、RNA結合モチーフとRNAアプタマーの複合体の構造情報の新たな知見を得ることが出来た。それによると、RNAアプタマーとRNA結合モチープは複数の結合モードを有するということが分かった。この事を確かめるために、実験情報を元にシミュレーテッドアニーリング法により構造計算を行い、RNA結合モチーフとRNAアプタマーの複合体の3次元立体構造を求めたところ、確かに複数の結合モードがあることを構造計算においても検証できた。 HIVと同様に血液を媒介として感染する感染症にHCV(C型肝炎ウィルス)がある。HIV感染者の約20%がHCVとの重複感染であり、その患者の死因の多くがHCVによるものであるとの報告がある。HCVの効果的な治療法は未だなく、早期の確立が期待されている。HIV Tatアプタマーの研究の応用として、HCVのIRES部分に特異的に結合するRNAアプタマーの研究に着手した。本RNAアプタマーをT7ポリメラーゼによる酵素合成を行い、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)精製を行い、NMRスペクトルを測定するのに、最も適した条件を見出した。現在、HCVのRNAアプタマーとHCVのIRES部分との相互作用情報を得ることを試みている。
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Research Products
(4 results)