2007 Fiscal Year Annual Research Report
RNAアプタマーによるHIV Tat認識機構の構造学的解明とドラッグデザイン
Project/Area Number |
05J05395
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
松上 明正 Yokohama City University, 大学院・国際総合科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ドラッグデザイン / 構造生物学 / NMR / RNA / HIV |
Research Abstract |
HIVのTatタンパク質を捕捉するRNAアプタマーと7残基からなるTatタンパク質のRNA結合モチーフの複合体の構造情報を13C,15N標識RNAアプタマー及び13C,15N標識RNA結合モチーフを用いた各種のNMR実験から得ることができた。その結果、RNA結合モチーフとRNAアプタマーの複合体の構造情報の新たな知見を得ることが出来た。それによると、RNAアプタマーとRNA結合モチーフは複数の結合モードを有するということが分かった。複数の結合モードにおいて、RNAアプタマーが結合モチーフのどの部位と結合しているかを解明することが出来た。 HIVと同様に血液を媒介として感染する感染症にHCVがある。HCVの効果的な治療法は未だなく、早期の確立が期待されている。そこで、HCVのIRES部分に特異的に結合することでIRESの翻訳を抑制するRNAアプタマーの研究を行った。本RNAアプタマーを酵素合成及び精製を行い、RNAアプタマーとHCVのIRES部分との相互作用情報を得るためにNMR実験を行った。その結果、RNAアプタマーとIRESの相互作用情報を得ることが出来た。現在は、13C,15N標識RNAアプタマーを用いてRNA単体の詳細構造を調べているところである。 アプタマーの基質認識能を上げる手段として、三者相互作用を考えた。基質を認識するためには基質の他にさらに異なるもう1分子が必要というものである。そこで、我々はあるペプチドと結合することによって初めて基質であるアデニン塩基を認識する事が出来るリボ核ペプチドアプタマーについて、その基質認識メカニズムを調べる研究を開始した。リボ核ペプチドアプタマーのうちのRNAユニットのみでNMR実験を行い、次にペプチドユニットを添加し二者で実験を行い、さらにアデノシンを添加し、三者で実験を行い、それぞれの過程で構造変化が生じていることを確認した。現在はNOEを調べて距離情報を集積し、リボ核ペプチドアプタマーの構造情報を得ようとしているところである。
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Research Products
(7 results)