2006 Fiscal Year Annual Research Report
タイの都市インフォーマルセクターの存続要因に関する社会経済的分析
Project/Area Number |
05J05403
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
水上 祐二 横浜国立大学, 国際社会科学研究科・学術振興会特別研究員(DC2)
|
Keywords | 都市インフォーマルセクター / 露店商 / バイクタクシー / タイ経済 / 労働市場 / 就業理由 / バンコク / 職業選択 |
Research Abstract |
平成18年度は昨年までの調査・研究の成果として、『横浜国際社会科学研究』と『アジア研究』に論文を公表した。タイにおける都市インフォーマルセクターの存続要因を明らかにするに当たって、モタサイ・タクシードライバーの事例と露店商の事例を検討している。モタサイドライバーの事例ではその所得と労働の自由さが、露店商の事例でも所得の高さが重要な要因であることが明らかになった。これらインフォーマルセクターの職業を取り巻く社会経済的変化としては、登録制度の整備といった「フォーマル化」が徐々に進展しつつあり、従来の経済学理論が想定していたインフォーマルセクターの性質とはかけ離れつつあることを発見した。 他方でフォーマルセクターを取り巻く状況についても検討している。とりわけ日系企業における労務管理・内部労働市場といった制度によってフォーマルセクターにおける就業者が置かれている状況を検討し、フォーマルセクターがインフォーマル化しつつあることを文献整理によって明らかにしている。 以上の研究成果を統合し、18年12月には横浜国立大学国際社会科学研究科に博士論文を提出し、2月には博士号審査に合格している。 また、本年度中の新たなインフォーマルセクターに関する調査として、6月にはバンコクにおける美容師の調査およびタイ国ナコンラチャシマー県での短期の露店商調査を実施している。美容師に関する調査は博士論文の一部として所収してある。ナコンラチャシマーの露店所のデータは、今後の出来るだけ早いうちに整理し、平成19年度中に論文を公刊する予定である。
|
Research Products
(2 results)