2007 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニック微小レーザの極限的な高性能化と自然放出制御
Project/Area Number |
05J05439
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
野崎 謙悟 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | フォトニック結晶 / 半導体レーザ / ナノ共振器 / 自然放出制御 / パーセル効果 / 光双安定 / 光インターコネクション |
Research Abstract |
フォトニック結晶(PC)を用いた微小レーザは極低しきい値動作だけでなく,自然放出制御や光電子強結合状態といった共振器QED効果の発現が期待されている.申請者は昨年度までに,GaInAsP材料に製作されたPCスラブの円孔をわずかにシフトさせたHOナノ共振器により,世界最小のレーザモードによる室温連続動作の実現,ならびにパーセル効果による20倍以上の自然放出確率の増大を実証し,光インターコネクション用微小光源としての有用性を示してきた.今年度,これら一連の結果を論文投稿した結果,多数の報道機関に採り上げられると共に,東京電機大学主宰の丹羽保次郎記念論文賞を受賞した.さらに今年度は,そのようなナノ共振器レーザと光取り出し用導波路の集積,ならびに共鳴励起系の構築を行い,励起効率と外部量子効率の増大や光双安定動作などの高性能化を検討した。前者に関しては,組成が異なるGaInAsPスラブを高精度に接合させることで,同ナノレーザをパッシブなPC導波路と集積させることに成功した.その結果として,外部微分量子効率20%以上という商用の半導体レーザに近い値を評価した.また後者に関しては,ナノ共振器に形成される高次モード波長に合わせた光励起を行うことによる共鳴励起系を検討し,更なる励起効率の向上を期待した.その結果,室温連続動作を観測すると共に,熱による発振波長シフトを利用した光双安定動作を観測した.これらの成果は,PCナノ共振器レーザ光源と光導波路配線を基盤とした光集積回路を構築する上で重要な知見を与えるものであると同時に,光双安定メモリや波長変換動作などナノ共振器レーザの多機能性を期待させるものと考えている.
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Research Products
(4 results)