2006 Fiscal Year Annual Research Report
チャープ構造フォトニック結晶導波路による群遅延制御素子
Project/Area Number |
05J05444
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
森 大祐 横浜国立大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フォトニック結晶 / 光導波路 / 光遅延素子 / 光バッファ / フォトニックルータ / 方向性結合器 / スローライト / 分散補償 |
Research Abstract |
光遅延素子やバッファメモリは,光ルーターなど,将来の高度な光信号処理に欠かせないが,現在議論されている光メモリは光回路とのモノリシック集積が難しく,高速信号に対応できない.一方,申請者が提案したフォトニック結晶導波路による群遅延素子は,微小・広帯域であり,チャープ構造により分散補償機能を内蔵する.本年度は,2種類の分散をもつ導波路A,Bで構成される方向性結合器の特性改善および群遅延Q詳細な特性評価を行った.昨年度に導入された電子ビーム描画装置の条件最適化を共同研究者の後輩を指導しながら行い,これにより従来±5nmであった製作での円孔直径揺らぎが±3nmに改善され,方向性結合の散乱損失も低減された.また,製作の歩留まりも向上した.この揺らぎは透過スペクトルの平坦性に影響を及ぼすため,今後さらなる改善が望まれる.また簡単な導波路端面反射の抑制構造を解析,導入することにより,透過スペクトルの平坦性が改善された.製作した素子について変調位相シフト法を用いて群遅延を測定した結果,透過スペクトルのファブリ・ペロー共振の状態に対応して検出される位相シフト量が過大,もしくは過小評価される現象が確認され,内部での共振による遅延を含めた群遅延が測定されていることが明らかになった.そこで,この共振の影響を含めた位相シフト量を定式化し,計算結果と実験結果とのフィッティングを行うことにより群遅延素子内部で得られた群遅延を抽出した.これにより30nmの広帯域でc/30〜c/40のほぼ一様な群遅延が評価された.また,2本の導波路の偶モードのみを使う結合導波路による遅延素子については,分岐構造改善により反射が低減され,非チャープ構造のおいて偶モードの零群速度帯域を実験的に確認した. これらの成果を国際学会,国内学会で発表し,また論文が掲載される予定である。
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Research Products
(1 results)